毎回のバドミントン活動にメンバー全員分のシャトルを持ち込んでいる運営者の方。
大変な努力をされていることと思います。もしそのことで悩まれている方がいらっしゃれば、『シャトル持ち込み制』が解決策の1つになるかもしれません。
長く続いているバドミントンクラブでも採用されているこの仕組みを紹介します。
よくある思い込み
皆さんは、暗黙でこう思っていませんでしょうか。
運営者が準備するもの
- 体育館
- シャトル
メンバーが準備するもの
- ラケット(ガット)
- シューズ
- ウエア
運営者は『共有物』を準備し、メンバーは『私物』を準備する。
という先入観があるため、この認識の方はきっと多いはず。
そこでこの記事では、少し発想を変えましょう。
『個人で準備できるもの』と『そうでないもの』で分ける。
すると、こうなるのではないでしょうか。
運営者が準備するもの
- 体育館
メンバーが準備するもの
- ラケット(ガット)
- シャトル
- シューズ
- ウエア
シャトルを準備する役割が、運営者からメンバーに移りました。
バドミントンのシャトルは、
サッカーボールのような共有物でありながら、サッカーボールに比べれば個人で容易に準備ができます。
上の2つの例は、どちらも正解なのです。
この記事の『シャトル持ち込み制』とは
『メンバー個人がシャトルを購入して活動に持参する制度のこと』を言います。
シャトルを共有物して扱う場合の方法と悩み
シャトルを共有物として扱う場合は、以下のように対応している場合が多いです。
①毎回、運営者が全員分のシャトルを購入し、持ち込んでいる。
お金のことを無視すれば、メンバー視点で一番恩恵があるのがこの方法です。
恩恵とは具体的には『何もしなくて良い』ということです。
一方で、運営者視点で一番負担が大きい方法でもあります。
軽くて小さいシャトルも、数ダースともなれば、それなりの体積と重量になります。
それを毎回、持ち込んでいる。。。1年、2年は良いかもしれませんが、5年、10年と考えたとき、いかがでしょうか。
②メンバーが輪番(当番)でシャトルの保管を行う。
例えば1ヵ月単位でシャトル当番を決めて、活動への持ち込みと保管を担当します。
過去に①を行っていて、課題を認識されたクラブがこの方法に移行している場合が多いです。
体育館の鍵とセットになっているサークルも見受けられます。
ただし、この方法には、
- 新しいシャトルを購入した際の清算処理や受け渡し
- 当番のメンバーに全幅の信頼を置かなければならない
という課題も残されます。
③体育館に保管する。
恵まれた環境で活動できている場合、この方法が使えます。
もし保管スペースがある場合には有効に活用しましょう。
ただし現実的には、全てのクラブ・サークルが採用できる方法ではありません。
シャトル持ち込み制
基本ルール
まずは以下の基本ルールを使って、『運営者または誰か個人』が大量のシャトルを持ち運ぶことがないようにしてみましょう。
①メンバー個人がシャトルを購入して活動に持参
②使用したシャトルは持参した者が持ち帰る
ダブルスでは、1人1つ持ち込むと2時間活動できることが多い。
そして以下が、おススメの追加ルールです。
③持参するシャトルは新品(または相当)であること
④1人1つは持ち込むこと
ダブルスをすると必然的にシャトルが集まる
1コートでダブルスの試合を行う場合、最低でもプレーヤーは4人必要です。
8人以上でなければ2コートにはならないので、1コートに7名までは割り当てが期待ができます。
④1人1つは持ち込むこと
上記のルールを適用すると、必ず1コートに4~7つのシャトルが集まることになります。
1つのシャトルの消費時間
1つのシャトルが消費される時間は、
『プレイスタイル』『シャトルの銘柄』にもよりますが、休憩時間含めて平均25分程度と思われます。
4~7つのシャトルでプレイできる時間は『1時間40分~2時間55分』となります。
3コートであれば2時間で1ダースの消費する計算です。皆さん心当たりあるのでは?
参加費からシャトル代を除くことができる
当然ですが、シャトル代を参加費から除きましょう。
これによって参加費は安くできます。
結局、メンバーの支払う金額はあまり変わらない場合が多いのですが、それでも『参加費が安くなる』ことに違いはありません。
実際、バドミントン活動において、
『飲料代』『交通費』『ガット+張替え代』の方が、『参加費』よりも高額である場合が多いにも関わらず、参加者は『参加費』に目が行ってしまいます。
それだけ『参加費』が安くなることはインパクトのあることです。
メンバー側のメリットとデメリット
運営側にメリットが大きい『シャトル持ち込み制』。
メンバー側から見て、メリットとデメリットはどのようなものがあるのでしょう。
メリット
好みのシャトルを選択できる
- 高いランクのシャトルを使いたい。
- 安いシャトルでコストを抑えたい。
- どうしてもYONEXのシャトルを使いたい。
など、共有シャトルではないシャトルを希望するメンバーは、自己解決ができるようになります。
デメリット
自分でシャトルを買う必要がある
これが最大のデメリットです。
からです。
自分でシャトルを管理する必要がある
これが次点のデメリットになります。
以下の記事の管理を自分で行わなければなりません。
特に気を使わなければならないのが、スピード番号です。
購入した1ダースのシャトルを使い切るには、およそ12回の参加が必要になります。
夏のシャトルを冬に持ち込むこともあり得るため、
週一回以上のペースで活動していることが望ましいでしょう。
スピード番号は『3番』『4番』のシャトルをメインに購入するようメンバーに指導しておけば、対応期間が長く、万が一夏冬に使用しても影響を抑えられます。
知識が必要
シャトルの知識は、多少なりとも必要になります。
初心者が多く所属しているサークルでは、有識者が推奨シャトルを教えるなど、対応が必要となるかもしれません。
シャトルを多く使う練習がしにくい
例えば毎回『ノック』練習などを行いたい場合には、シャトル持ち込み制は不向きです。
『この日はノック練習を行う』と決めて、その日は運営者の管理シャトルを使うなどの対応が必要でしょう。
まとめ
- シャトルは個人でも準備が可能なもの。
- 1人1つのシャトル持ち込みで、ダブルスなら約2時間の活動ができる場合が多い。
- 見かけ上は参加費を安くすることができる。
- 運営者のシャトルの運搬・購入・管理の負担を減らすことができる。
- メンバーはシャトルの購入・管理の負担が増える。
- 活動回数が少ないサークルだと個人持ちのシャトルを使い切れない場合あり。
- スピード番号を『3番』『4番』のシャトルをメインに購入するよう伝え、季節の影響を抑えよう。
最後に
筆者は、1000円/月でシャトル持ち込み制のサークルに2年くらい所属させてもらったことがあります。
活動開催回数は月に8~10回ほど。
確かにメンバー視点でシャトルの購入は手間なのですが、それよりも活動での自由度の高さが気に入っていました。シャトルが痛めば、自分で提供すればよく、好きな銘柄を使うこともできました。
シャトルを持ち込むことへの不満の声なども無く、むしろ積極的に提供している方が多い印象でした。
昔からある考え方なのですが、とても個を尊重する現代的な印象を持つ本制度。
検討してみてはいかがでしょうか。