【手遅れになる前に】参加費を値上げしないクラブが陥る悲劇|バドミントンシャトル高騰対策

当ページのリンクには広告が含まれています。
シャトルの高騰対策のサムネイル
この記事を読んで欲しい方

バドミントンシャトルの値段が高騰する中、どうやり繰りするかだけを考えてしまい、参加費を上げる選択肢が持てないバドミントンチーム運営者の方

さわれる目次

シャトルの値段は5年で2倍近くになった

2020年YONEXのシャトルSTANDARDは2,950円/ダースで売られていました。
10%OFFのクーポンも頻繁に発行され、実質2,600円程度だったと思います。

時は流れ、STANDARDはAEROSENSA500に名前を変え、徐々に価格が上がり、2025年の販売価格は5,250円/ダースになりました。

AEROSENSA500のシャトルケースのイラスト
AEROSENSA500

バドミントンチームの運営者であれば、頭の痛い問題です。

サークルやクラブは参加費を上げていないところが多い

2025年10月現在、多くのサークルやクラブの参加費を見てみると、シャトルやその他経費の値上がりに追従が見られる場合もありますが、2020年の価格のまま、あるいは微増というチームも多く見られます。

同じシャトルを提供するチーム運営者としては、そのメンバー思いの精神・努力に頭が上がりませんが、一方で運営目線ではもしかして『値上げができないのでは?』という印象も受けます。

本記事では『メンバーを思うからこそ、値上げをする』という内容を執筆したいと思います。

参加費を上げられない原因

そもそも余裕のある値付けだった場合を除き、
外部要因で運営費用が増えてしまっているのに、参加費が上げられない理由は

  • デフレマインドが残っているから
  • メンバーが離れてしまうと思っているから

の2点でしょう。順番に解説します。

❶デフレマインドが残っているから価格が上げられない

このタイトルにピンと来ていない方も多いと思うので、説明にお付き合いください。

日本はバブル崩壊後、長らくデフレーション(持続的な物価下落)の中にいました。筆者もその時代に生きてきました。少し待てば安くなる、今は高いから買うのを控えようという感覚をお持ちの方もまだまだ多いのではないでしょうか。

つまり、シャトルが値上がりしても、

この値上がりで最後だ!
なんとかしよう!

という勘違いが起きてしまいます。

シャトルの質を落とすのも一時的で、価格が戻ればシャトルを戻そうなんて考えている場合もあると思います。

もう価格は戻らないです。今後も上がり続けます。

日本政府は、消費者物価の前年比上昇率2%を目標に掲げています。

再び日本がデフレーションに入り景気が後退しないよう、物価を継続して上げようとしてきました。

そして、2025年現在、実際にインフレーションの世の中になりました。

頭を切り替え、今後もシャトル代は上がり続けるというインフレ環境下のマインドにスイッチしてください。

価格が上がり続ける中、どう安定させて運営していくかを考えなければなりません。

❷メンバーが離れるのが怖くて価格が上げられない

『参加費が高くなったので、あなたのチームにはもう通えません』

この言葉が怖くて、参加費が上げられずに苦しい思いをされている方がたくさんいると思います。

そして実際、
特定の条件でメンバーは離れます

ぺつこ

おーい!離れないから安心して!って言葉期待しとったやん!

としかず

まま、最後まで読もう

離れるメンバーの条件は

  • 参加の理由が『価格が安いから』だった
  • 離れようと思っていたが特にきっかけが無かった

逆に言うと、

バドミントンが好きで、コミュニティを大切にしている方は、生活にほぼ影響しない範囲の値上げを理由に辞めないです。

ぺつこ

その言葉が聞きたかった!

ただし、このインフレの起きている世の中で『価格の安さ』を売りにしている場合には、注意が必要かもしれません。

私自身が、過去に参加費の『価格の安さ』を売りにしていた経験から、そのデメリットを解説します。

価格に魅力を感じるメンバーが集まってしまう

当時の私は『安さこそが正義』『安ければ全ての人の選択肢になれる』と本気で考えていました。

しかし今では『安さは自分の時間を切り売りして作ったもの』ということに気がつき、自動化ツールなど有料でも有益なものならば使っていく方針に切り替え、参加費に織り交ぜる思考となりました。

安い時代
2025年 現在
  • ¥600/回は高いという考え
  • ¥500/回にできず、¥200/月かつ¥300/回の参加費で1万円の施設を利用したりしていた。
  • ¥3,250/月のサブスク
  • 連絡ツールや、集金システムにも課金

前提として、今のメンバーとも、昔のメンバーとも大切に交流しています。
その上で、傾向として、価格でメンバー層(客層)が明らかに変わりました

価格が安い時代には以下のような方がいらっしゃいました。

  • 遅刻が理由で100円しか参加費を払わない方
  • 1度も参加しないので月額200円を払わない方
  • 運営用のシャトルバッグは、皆のお金からは買ってはいけないと主張する方

正直、トラブルの火種になりやすい方達ではありました。

次に¥1,500/月のサブスク時代に移行します。

  • トラブルの火種になるような方の応募は稀になり、メンバーの素行が良くなった
  • 東大・早慶大卒や一部上場企業所属のメンバーが目立つようになった
  • サークルへの応募者数は大きく増えた
  • シャトルと体育館以外にかかる運営費用がほぼ理解されるようになった

さらに時代は進み、¥3,250/月のサブスクの現代では、

  • トラブルの火種になるような方の応募はごく稀になった
  • サークルへの応募者はさらに増えた
  • 民度の高さに驚くという感想が出るようになった
  • 価格の変更に意見する方が皆無になった

※値上げの理由はシャトル代だけでなく、2万円を超える施設を頻繁に利用しはじめたからです。

また初期から現在まで残ってくれている方を見ると、最近加入されるメンバーと同じような傾向があります。

この経験から分かったこと

価格を安く設定すると、価格に魅力を感じる層に強く訴求される。

多少の値上げをしても異なる層に刺さるだけなので、応募者は減らない。

筆者は値上げアレルギーは取り去られ、インフレにより相対的に価格が下がるデメリットを意識するようになりました。それは、

チームが
価格の安さを理由に参加しているメンバーで構成されていると、値上げ≒解散になってしまう。

という『値上げできなくなるリスク』です。

どこまでも値上げして良いわけではない

過剰なコストダウンが不要で、市場に合わせた価格の適正化が必要だとお分かりいただけたかと思いますが、応募者が減少する価格は必ずあります。当然価値に見合わない値付けでは、人を呼ぶことができません。

私は経営の限界ラインを知りたくて、
ChatGPTとGeminiに計算をさせました。

結果:月額なら5,000円、または1回当たり1,500円なら倍率1倍を割ることはほぼない

2025年に筆者の運営するクラブの条件を入力しています。

この価格では入部希望者数が退部希望者数を上回るということです。

思っていたより価格が高いと思いませんでしたか?

また、価格が上がると応募者が増えた現象は、同地域にその価格帯の競合が少ないからというAIによる分析結果も得られています。

としかず

皆さんが思っている以上に、安すぎる価格に、治安や品質などの不安を感じる方は多いんです

お客様目線になるためにスポーツを変えてみるとどうでしょう?

サッカー・野球・フットサル・テニス・ゴルフならこの価格はどう感じますか?

値上げに自信が出てきましたか?

コミュニティを大切にしているメンバーの声

あなたはきっとメンバーに慕われていて、そのメンバーのために値上げを我慢してきた。

だからここまで読み進めていただいたのだと思います。

しかし、あなたと同じくらいメンバーも、あなたが作ったコミュニティのことを慕っています。

言葉に表されないメンバーの声はこちらです。

シャトルの値上げで、作業を増やさないでください。

何より解散しないでください。

運営が継続しやすい価格に設定してください。

原価の上昇を適正に価格に反映することは大切なことです。

シャトルの高騰対策のサムネイル

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
さわれる目次